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三 イスラエルの民
十八 神は、赤児のモーゼが殺されるのを救われた
ヨゼフが死んでから何百年かたって、エジプトは、ヨゼフのことを全く知らない新しい王に治められていることになりました。そのころ、イスラエルはますますふえて強い民族になってきたので、新しい王はこれを恐れ、できるだけつらい仕事をやらせていじめました。それでもイスラエルは弱らないので、とうとう王は、イスラエルに男の子が生まれたらみなすぐにナイル川に投げ込んで殺してしまえという、ひどい命令を出しました。
このころ、あるイスラエルの母親は、自分の生んだ男の子を、三月の間かくしておきましたが、とうとうかくしきれなくなったので、よしで編んだかごに松やにを塗り、その中に子供を入れて、川岸のあしの茂みの中においてきました。赤児の姉が、「どうなることか」と思って、近くにかくれて見ていると、ちょうどそこへ、王のお姫さまが水浴びにやってきました。姫はかごを見つけて、おつきの女に拾わせにやりました。ふたをあけると、中には一人の男の赤児が泣いています。姫は、「ああ、これはイスラエルの子だ!」と、いかにもふびんそうに言いました。
隠れてこれを見ていた姉は、そこへ出て行って、「お姫さま、この子を育てるために乳母を探してきましょうか?」と言いました。すると姫は、「呼んできなさい」と言ったので、大喜びで母を連れてきました。姫は母に子供を渡して、「この赤児を育ててやっておくれ。必要な費用は私が払うから」と言いました。
こうして母は、ふしぎにも助かったわが子を引き取って育てましたが、やがて大きくなると、姫は自分の子として引き取り、モーゼという名をつけました。
一 なにか困難に会ったら、決してあきらめたりがっかりしないで一生懸命につとめ、あとは万事、神さまにおまかせしなさい。